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Morinomiya University of Medical Sciences Acupuncture Information Center

鍼灸学術情報

筋骨格系の疼痛に対するレーザー鍼の効果:システマティック・レビューとメタアナリシス

 ニュージーランドOtago大学のLawらが最近Journal of Acupuncture and Meridian Studies誌に、筋骨格系の疼痛に対するレーザー鍼の効果に関するシステマティック・レビューとメタアナリシスの結果を報告しました[1]。レーザー鍼と何らかの対照群とを比較したランダム化比較試験の論文を事前に決めた基準にもとづき選定し、それらの研究の質とデータを評価し統合したものです。
http://www.jams-kpi.com/article/S2005-2901(14)00114-9/fulltext

 49のRCT論文が選択され、それらのRCTでは1~12週の間に3~15回のレーザー鍼が行われていました。30のRCTは方法論的に質が高く、31のRCTはポジティブな結果であり、33のRCTで提示されたデータはメタアナリシスが可能でした。
 
 プラセボ(偽の)レーザー鍼と比較した場合の疼痛軽減効果のSMD(=効果量)は、介入終了時で-0.43(-0.74~-0.12)、追跡調査時で-0.61(-1.12~-0.10)、すなわち特異的効果が統計学的に有意であることを示しています。診断名別に検討すると、筋筋膜痛・筋骨格トリガーポイントにおいては短期的には中等度の効果量(SMD=-0.49;-0.83~-0.16)、長期的には大きな効果量(SMD=-0.95;-1.68~-0.23)が認められましたが、上腕骨外側上顆炎および顎関節症においては未だ集められたRCTも少なく、明確な効果あるいは結論が示されませんでした。
 
 ポジティブな結果を報告しているRCTの約70%はBaxterら[2]が示している臨床的に適切な刺激量でレーザー鍼を用いていました。その適切な刺激量とは、平均出力が10 mWでエネルギー量が照射1ヶ所につき最低でも0.5 Jというものです[2]。逆に、結論が出せなかったり効果がないという報告をしていたRCT論文では、刺激量が不適切であるか記述が不十分でした。
 
 このメタアナリシス論文から、レーザー鍼は筋骨格系の疼痛に対してプラセボ効果を超えて有効であること、短期よりもむしろ長期的な効果に優れていること、適切なレーザー刺激量が必要であることが示唆されます。日本でレーザー鍼はあまり多く使われていませんが、侵襲性が少ないことなどを考えると、もう少し臨床応用されても良いのではないでしょうか。
 
1. Law D, McDonough S, Bleakley C, Baxter GD, Tumilty S. Laser acupuncture for treating musculoskeletal pain: a systematic review with meta-analysis. J Acupunct Meridian Stud. 2015; 8(1): 2-16.
2. Baxter GD, Bleakley C, McDonough S. Clinical effectiveness of laser acupuncture: a systematic review. J Acupunct Meridian Stud. 2008; 1(2): 65-82.