EBMの実践においてしばしばエビデンス探しに用いられるCochrane Systematic Review(CSR)には、鍼のRCTのシステマティック・レビューがいくつか存在し、定期的に改訂されています。2014年12月現在、鍼治療を主題としているCSRはプロトコルや撤回論文を除くと約40編あり、その多くはRCTの質や量に問題があるために十分なエビデンスが示されていないとして明確な結論が下されていません。しかし、いくつかの疾患・症状に関しては、肯定的、あるいは一部肯定的な結論が述べられているものがあります。
CSRは一般的に信頼されているシステマティック・レビューですが、偽鍼と鍼を比較したRCTのメタアナリシスの結論については、やはり既に説明したような問題点を抱えています(http://mumsaic.jp/news/index.php?c=topics_view&pk=1409866439)。結論だけでなく、どのような解釈でそうなっているのか、それぞれのCSRのプロセスもチェックする必要があると考えます。
さらに念のためですが、コクランに鍼灸が載っている数が少ないのはRCTが十分に集まっていないからであり、コクランに収載されていないからといって鍼灸が否定されているわけではありません。
Cochrane Libraryのサイト
http://www.thecochranelibrary.com/view/0/index.html