麻疹能毒合戦図 一光斎芳盛画 1859年 37.5×74.5 cm(部分)
江戸時代には麻疹(はしか)による死亡者が多く、13回の大流行が記録されており、1862年の大流行では江戸だけで24万人の死者が記録されているそうです。現在と違って命にかかわる流行病だったため、予防法や養生法が記録された錦絵が数多く作られました。
この図は、食べて良いものと悪いものが戦っている様子が描かれています。赤枠で名前が書かれたものは悪いもので、「あきもも毒成(どくなり)」「玉子の入道(にゅうどう)」などがあります。反対に、食べて良いものは白枠で記されています。左上方には、りびょう(痢病)、大ねつ(熱)、かくらん(霍乱)などの症状が妖怪の姿で描かれています。
作者である一光斎芳盛は、浮世絵師・歌川芳盛(1830~1885年)の号です。
( ここ+から編集委員会(森ノ宮医療学園専門学校内)発行
「ここ+から」2016年Vol.10:7頁より )