Advances in Medical Education and Practice誌に、米国の大学医学部カリキュラムにおいて補完代替医療(CAM)のうち何がどのように教育されているのかについて現状調査を行った結果が報告されています[1]。米国の130の大学の医師を養成する医学部について、2012~2013年に講義一覧、カリキュラム、ウェブサイトをシステマティックに検索して情報収集されました。
その結果、情報収集できた125(96.2%)の医学部のうち66校(50.8%)でCAMに関する授業内容が扱われていました。CAM関連授業科目の多く(70.9%)は選択科目で講義形式でした。取り扱われていたテーマは多い順に以下の通りです。
1位 CAM 31.5%(66校で扱われていたCAM関連127科目を100%として)
2位 伝統医学 19.7%
3位 鍼治療 17.3%
4位 瞑想 16.5%
5位 スピリチュアリティ 14.2%
6位 ハーブ 13.4%
7位 マッサージ 11.0%
7位 エネルギー医学 11.0%
8位 カイロプラクティック 7.9%
8位 オステオパシー 7.9%
9位 ヨガ 7.1%
10位 バイオフィードバック 4.7%
著者のCowenらは、これらのCAM関連授業科目の多くが講義形式であることなどから、医学生が将来治療に組み込むためのものではなく、むしろ患者のヘルスケア選択肢について広い知識を身に付けるための総論的な学習が目的であろうと考察しています。また、今回の調査では以前に報告されている調査結果よりもCAMを教授する医学部が少ない結果となっているが、その理由として以前の調査結果では過大に報告されていた可能性があると指摘しています[1]。
なお、この論文は無料ダウンロードが可能です。
http://www.dovepress.com/complementary-and-alternative-medicine-in-us-medical-schools-peer-reviewed-article-AMEP
1. Cowen VS, Cyr V. Complementary and alternative medicine in US medical schools. Adv Med Educ Pract. 2015; 6: 113-117.