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Morinomiya University of Medical Sciences Acupuncture Information Center

鍼灸学術情報

オーストラリアの鍼灸安全教育(1)

 シドニー工科大学(UTS)の鍼灸クリニックを訪問しました(写真左)。掲載した写真については施設の担当者の許諾を得ています。
 
 オーストラリアで登録・認可された鍼灸師になるには4年制の大学で学ぶ必要があります。現在は州単位でなく国全体での免許制度が確立されています。大学以内にも教育年限の少ない小規模の鍼灸学校がありますが、そちらで学んだ場合は正規の登録・認可された鍼灸師にはなれないそうです。今回訪問したのはUTSの中医学コースの実習施設ですが、日本の大学よりも臨床実習の頻度が高いようです。
 
 クリニックでの医療廃棄物は、まず鋭利なもの(鍼など)とそれ以外のもの(血液などで汚染された綿花など)に分けて捨て、最終的にはひとつの大きな容器(写真右)にまとめて業者を通じて焼却処理されます。基本的には日本の場合と同じですが、滅菌施設や廃棄物処理システムの規模が大きいという印象でした。ただし大学施設以外の小規模クリニックにおいてどのようなシステムと規模で行われているのかは見る機会がありませんでした。
 
 1年生の初期、臨床実習に入る前に行われる安全管理教育プログラムは項目が完全に文章化されていて、授業に出席する以外にも教材やビデオをダウンロードして学ぶようになっています。日本の鍼灸の大学教育よりもIT化が進んでいるという印象を受けました。安全管理教育その他の基本的なことは州単位ではなくChinese Medicine Board of Australiaによって統一した規制やガイドラインがあります。
 
こちらはChinese Medicine Board of Australiaの規定とガイドラインのサイトです。
http://www.chinesemedicineboard.gov.au/Codes-Guidelines.aspx
 
シドニー工科大学の鍼灸クリニック
医療廃棄物回収容器