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Morinomiya University of Medical Sciences Acupuncture Information Center

ヘルスリテラシー

機能性表示食品の機能性の科学的根拠に関する質の評価

(山下仁, 藤村佳奈, 増山祥子, 大川祐世. 日本統合医療学会誌 2018;11(3):320-326 より)

【目的】機能性表示食品の機能性の科学的根拠の質および一般消費者向け抄録の妥当性の評価。
【対象・方法】健康食品通販売上上位20社の「主力商品」のうち機能性表示食品として届出されている商品を同定し、事前に定義した基準に基づき絞り込んで選出した。これらの商品について、消費者庁サイトにおける機能性の科学的根拠とされる資料の質をバイアスリスク等の観点から評価し、問題点を抽出した。
【結果】 12商品が選出され、4商品は最終製品を用いた臨床試験報告論文6編、8商品は最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビュー9編が評価対象となった。臨床試験については、主要アウトカムが明確でないもの、ランダム化のプロセスが不明なもの、変化量(または変化率)や群内比較の有意差のみを強調しているものなどが認められた。研究レビューについては、その半数において被験者総数が60名未満であり、ベースラインの不均等、ランダム化・盲検化のプロセス、非直接性の判断等について不適切なものが認められた。
【考察・結論】評価対象となった臨床試験および研究レビューには方法論的な質に問題があるものが含まれていること、また、一般消費者向け抄録における記載の誠実度には商品によって差があることがわかった。消費者の誤解や過信を避けるため、科学的根拠の質評価、記載の適正性の監視、改善指導が必要とされる基準等について今後も継続的に検討・議論する必要性が示唆された。

(本研究はJSPS科研費17K08938の助成を受けました。)
 
最終製品を用いた臨床試験の評価結果
機能性関与成分に関する研究レビューの評価結果