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Morinomiya University of Medical Sciences Acupuncture Information Center

MUMSAIC’s Opinion

「EBM」と「エビデンス」は違います

 「鍼のEBMを確立して」といった言い回しをしばしば聞きますが、鍼だけでEBMは成立しません。おそらく「鍼のエビデンスを集積して」と言いたいのだと思います。EBMの中で鍼の選択や応用が行われるという構図です。また、EBMは患者の個別性を軽視しているという言い分も当たりません。
 
 EBMは、①現在利用できる最良の臨床的エビデンスを、②個々の医療者の臨床的技能と、③患者の選択、に統合するボトムアップのアプローチです。あるエビデンスが個別の患者に適用できるかどうかを決めるのも臨床的技能のひとつです。[1]
 
 エビデンスにもとづいて評価した結果、ある症状・疾患に対して幾つかの治療法の有効性と安全性の程度が同等である場合、患者の好み(すなわち生活文化的な背景)や治療者の技能(資質や経験や技術)が決め手になります。EBMの実践において鍼灸が選択肢となる際にはこの点が重要になると考えます。
 
1. Sackett D, Rosenberg WMC, Gray JAM, Haynes RB, Richardson WS. Evidence based medicine: what it is and what it isn’t. BMJ 1996; 312: 71-72.