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Morinomiya University of Medical Sciences Acupuncture Information Center

MUMSAIC’s Opinion

鍼灸の情報発信

 一般の(すなわち鍼灸や漢方に詳しくない)医療従事者にわかってもらえるような鍼灸医療情報の発信の仕方には改良の余地があると考えています。いわゆるエビデンスの観点からみた鍼灸の有効性や安全性、あるいは医学会が作成したエビデンスにもとづく診療ガイドラインへの収載状況に関しては、日本国内において、医療従事者全般はもちろんのこと鍼灸師でさえ詳しく知らないというのが現状です。まずは国内外の先進国においてどのような鍼灸医療情報が存在するのか「情報収集と整理」を行い、それを「わかりやすく」、「広く世間の目に留まるような方法で」、「情報発信・公開」していく必要があるのですが、その工夫はまだまだ足りないことを日々痛感しています。

 英国ではNICEガイドラインに記載される以前から、すでに多くのプライマリケア医たちが鍼施術を行っています。一方、鍼灸師という資格が独立している日本では、それ故かエビデンスの有無に関わらず病院・クリニックの治療の選択肢から鍼灸が切り離されている感があります。このことが鍼灸に関する情報が医療界に広がらない背景のひとつであるように思われます。医学学術雑誌に質の高い鍼灸の論文を投稿・掲載するという正攻法は勿論ですが、その他にも、インターネットの鍼灸ポータルサイトの充実や、SNSを利用した情報普及活動は重要だと考えています。現状として鍼灸の情報発信活動は今ひとつ充実と工夫と情熱に欠けており、逆に言えばこれから最もやり甲斐のある開拓分野のひとつなのです。
 
(山下仁「鍼灸の情報発信いまひとつ」鍼灸OSAKA. 2012;28(4):437-441より。一部改変。)